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平成29年度税制改正 ~法人課税の改正~
日本企業の多くが3月末に決算を迎え、6月に株主総会を行っていますが、決算から株主総会までの期間が他の先進国に比べて短く、「株主が議決権を行使する時間的猶予が短い」と指摘されています。
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(2.8カ月) |
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※表中の数字は、定時株主総会開催日の決算日からの所要日数を記載している。
※日本以外については、時価総額別に業種に偏りがないよう抽出した10社の平均値。
また、日本では株主総会が6月に集中していることから、多数の銘柄を保有する投資家が株主総会に出席できず、企業と株主・投資家の対話が希薄になっているという問題も指摘されています。
そこで、企業と投資家の対話の充実を図るため、上場企業等が株主総会の開催日を柔軟に設定できるよう、法人税等の申告期限の延長可能月数が拡大されます。
会計監査人設置会社が決算日から3か月を越えて株主総会日を設定した場合、株主総会後に法人税の申告を行うことが可能となります。
現行制度では、役員へ支給する給与のうち、以下のいずれかに該当するものに限り損金算入が認められています。
①定期同額給与 | 1か月以下の一定期間ごとに同額で支給する給与。 |
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②事前確定届出給与 | 事前の届出に従い、所定の時期に確定額を支給するもの。 譲渡制限付き株式(リストリクテッド・ストック)については、事前の届出不要。 |
③利益連動型給与 | 利益に連動して支給する給与で、一定の要件を満たすもの。平成28年度改正により、対象となる指標にROE等が追加され明確化。 |
わが国企業の役員給与は、依然として固定報酬中心であり、欧米と比して株式報酬などの中長期インセンティブや業績連動報酬の割合が低く、業績向上のインセンティブが効きにくい状況です。
その一員として、損金算入可能な役員給与が上記のように制限されていることが挙げられており、今回、特に事前確定届出給与や利益連動型給与について制度改正が行われることになりました。
利益連動給与について、複数年度の利益に連動したものや、株価に連動したものも損金算入の対象とされるほか、株式報酬信託やストックオプションなど各役員給与類型について、全体として整合的な税制となるよう見直しが行われます。
現行 | 改正案 | |
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利益連動給与 | 算定指標は、利益の状況に関する指標のみが対象(営業利益、当期純利益、ROE等) |
算定指標に、以下の2つを追加 ・株式の市場価格の状況を示す指標 ・売上高の状況を示す指標 |
当該事業年度の指標の実が対象 | 当該事業年度後の事業年度、将来の所定の時点若しくは期間の指標を対象に追加 | |
対象法人は、非同族会社に限定 | 同族会社のうち、非同族法人との間に完全支配関係がある法人を追加(算定方法が株主総会又は取締役会で決議され、有価証券報告書等で開示されていることが要件) | |
事前確定届出給与 | 所定の時期に確定額を支給する給与 | 以下の給与を対象に追加 ・所定の時期に確定した数の株式を交付する給与 ・所定の時期に確定した数の新株予約権を交付する給与 |
特定譲渡制限付株式等による給与 | 利益その他の指標を基礎として譲渡制限が解除される数が算定される譲渡制限付株式による給与を対象から除外 | |
定期同額給与 | 事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの | 左記に、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額である定期給与が追加 |
2017年02月15日
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