外国人旅行者向け免税制度の見直しと「リファンド方式」導入

外国人旅行者向け免税制度の見直しと「リファンド方式」導入

2025年の税制改正では、消費税分野のテーマとして、外国人旅行者に対する消費税免税制度(輸出物品販売場制度)の再構築が大きく取り上げられています。

前年の税制改正大綱で方向性が示されていた「リファンド方式」への移行に加え、今回の大綱では制度全体にわたる要件・手続の詳細な見直しが盛り込まれました。

「リファンド方式」とは何か

これまでの仕組みでは、免税店で外国人旅行者が購入した商品について、その場で消費税を免除する方式が基本でした。
しかし、購入した免税品が国内で転売されるケースなど不正利用が問題視されており、この点が制度変更の背景となっています。

新制度では次のような手続きに変わります。

  1. 購入時点では消費税を含む価格で販売する
  2. 旅行者が購入日から90日以内に出国し、税関で持出し確認を受ける
  3. 税関が確認した情報(税関確認情報)を免税店側が保存する
  4. 確認が成立した場合、旅行者へ消費税相当額が払い戻される

これが、事後的に税額を返金する「リファンド方式」です。
返金事務は専用事業者(承認送信事業者等)へ委託する運用が想定されています。

免税販売要件の主な変更点

今回の大綱では、免税対象となる商品の分類や手続きも大きく整理されました。

購入上限額の撤廃

現在、消耗品には同一店舗・同一日で50万円という購入上限がありますが、この上限は廃止されます。

商品区分の見直し

従来あった「一般物品」「消耗品」という2区分は廃止され、制度上の区分けが簡素化されます。
これにより、包装要件として求められていた特殊包装も不要になります。

「通常生活の用に供しないもの」の要件撤廃

現行では免税対象から除外されるケースがありましたが、この基準も廃止されます。
ただし、金地金など不正利用のリスクが高い物品については、個別に免税対象外として指定できる仕組みに変更されます。

高額品への追加情報記録

すり替えや不正な売買を防止する観点から、税抜100万円以上の免税対象物品については購入記録情報に以下を追加することとなります。

  • シリアルナンバー
  • ブランド名
  • その他、個々の商品を特定できる情報

これにより、税関側での確認精度が高まり、輸出物品が正しく把握される仕組みが強化されます。

適用開始時期

これらの改正は、2026年(令和8年)11月1日以後に行われる免税対象物品の譲渡から適用されます。
事業者側は制度変更のタイミングを踏まえ、販売管理やシステム対応を前もって整える必要があります。

制度が見直される背景

従来の免税販売は「店頭で即時免税する」仕組みであったため、購入者が免税品を国内で転売するリスクが指摘されていました。

こうした不正を抑制し、免税制度本来の目的である「訪日旅行者の消費促進」に制度を戻すため、出国時の確認を通じて税額を返金する方式へと切り替える判断に至っています。

まとめ

  • 2025年税制改正で、外国人旅行者向け免税制度が大幅に見直され、「リファンド方式」へ移行する方針が示された。
  • 新制度では購入時に消費税込みで販売し、出国時の税関確認を経て旅行者へ消費税が払い戻される仕組みに変わる。
  • 購入上限額の撤廃、商品区分の簡素化、特殊包装や「通常生活の用に供しないもの」要件の廃止など、手続きが大幅に整理される。
  • 不正防止のため、税抜100万円以上の高額品はシリアル番号・ブランド名など、個別商品を特定できる情報の記録が義務化される。
  • 改正は2026年11月1日から適用されるため、免税店は販売管理やシステムを早期に対応させる必要がある。