国税庁が推奨する「優良な電子帳簿」とは?

国税庁が推奨する「優良な電子帳簿」とは?
電子帳簿保存法が広く浸透する中、国税庁はその中でも特に要件を満たした「優良な電子帳簿」の活用を勧めています。
制度の特徴や導入メリットを整理しつつ、実際に利用する際のポイントを解説します。
まずは電子帳簿保存制度を整理
電子帳簿保存制度は、紙で残していた帳簿や書類をデータ形式で保存できる仕組みです。
利用するためには、
- 使用しているシステムの説明書を備えていること
- 保存された帳簿を画面で確認できる設備があること
- 税務調査でデータ提供を求められた場合に応じられること
といった条件を満たす必要があります。
こうした環境を整えることで、帳簿の印刷・保管スペースの確保など、従来の事務作業を軽減できる点が大きな利点です。
「優良な電子帳簿」として扱われるための条件
優良な電子帳簿に認められるためには、通常の電帳法対応よりも高度な機能が求められます。主なポイントは次のとおりです。
- 修正・追加・削除などの操作履歴が残る仕組み
- 帳簿同士が関連付けられ、内容が連動して参照できること
- 取引日・金額・相手先などを検索できる機能が備わっていること
これらを満たしていれば、万一申告内容に過少申告があった際でも、
通常10%の過少申告加算税が5%へ軽減される特典が用意されています。
ただしこの優遇措置を受けるには、申告期限までに届出書の提出が必要であり、課税期間の最初から対象帳簿を「優良な電子帳簿」として運用していることが前提条件となります。
「優良な電子帳簿」の対象となる帳簿の種類
優良な電子帳簿として扱われるのは、仕訳帳や総勘定元帳、またはそれに準ずる帳簿です。
具体的には、法人税・所得税では以下の帳簿が該当します。
- 売上帳
- 仕入帳
- 経費帳
- 売掛帳 / 買掛帳
- 手形関係の帳簿
- 貸付・借入帳
- 未決済項目の管理帳簿
- 固定資産台帳・繰延資産台帳
- 賃金台帳
- 有価証券の受払簿
など
消費税については、消費税法で保存が求められる一定の帳簿が対象になります。
全部の帳簿を作成する必要はなく、企業が普段作成している帳簿の中から、要件を満たすものだけを優良帳簿として運用すれば問題ありません。
たとえば手形取引がない企業は、手形帳をそもそも作成する必要はありません。
会計ソフトは「JIIMA認証」が選択の目安に
ソフト選びで迷ったときの判断材料として、国税庁は「日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)」による認証を取得した会計ソフトの利用を推奨しています。
JIIMA認証マークが付いた製品は、
- 電子帳簿保存法の要件をクリアしている
- 優良電子帳簿として利用できる機能を備えている
といった点が第三者機関のチェックで確認されているため、導入の際に安心感があります。
会計ソフトの導入や選定に迷われた際は、専門家に相談するのがスムーズです。
小林会計事務所では、ソフト選定のサポートも行っています。
JIIMA認証マークとは?
公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会が運営する認証制度で、電帳法の基準を満たしたソフトウェアに付けられるマークです。
電子帳簿保存法への対応は要件が複雑なため、第三者認証が非常に役立ちます。
パッケージやサービスの紹介ページにこのマークがあれば、法的に求められる要件をクリアしている証となり、企業側も安心して採用できます。
まとめ
- 国税庁は、電帳法の中でも要件が高度な「優良な電子帳簿」の活用を推奨している。
- 優良帳簿には、操作履歴の保存・帳簿間の連動・検索機能など通常より厳しい要件が必要。
- 要件を満たし届出を行えば、過少申告加算税が10%→5%に軽減される特典がある。
- 対象となるのは仕訳帳・総勘定元帳を中心とした主要帳簿で、企業の実情に応じて必要な帳簿のみ選択すればよい。
- 会計ソフト選びは「JIIMA認証」が安心材料となり、導入に迷う場合は専門家への相談が有効。
この記事は2025年9月に書かれたものです。
内容が最新の情報と異なる可能性がありますのでご注意下さい。

