外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)が見直されます

令和7年度税制改正のうち消費課税関係では、外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)の見直しが大きなポイントとなります。

この輸出物品販売場制度について「リファンド方式」への変更が令和6年度の税制改正大綱で示されていましたが、令和7年度税制改正大綱には免税方式や免税対象物品の範囲、免税販売手続等の見直しが盛り込まれています。

「リファンド方式」とは

輸出物品販売場制度の変更点は、具体的には、
免税店を経営する事業者が、
免税購入対象者に対して免税対象物品を譲渡した場合
であって、
その免税購入対象者がその購入した日から90日以内に出港地の税関長による確認を受けた
ときは、
その確認をした旨の情報(税関確認情報)を輸出物品販売場を経営する事業者が保存することを要件
として、
その免税対象物品の譲渡について消費税が免除されることになります。

消費税相当額を含めた価格で販売し、出国時に持出しが確認された場合に、免税購入対象者に対して消費税相当額を返金する「リファンド方式」となります。

免税販売要件の見直し

また、免税販売要件の見直しも行われています。
現行では、商品の区分に応じ免除の限度額などがありますが、消耗品について現行50万円の免税購入対象者の同一店舗一日当たりの購入上限額が撤廃されたほか、特殊包装の廃止、一般物品と消耗品の区分が廃止されます。

また、免税販売の対象外である通常生活の用に供しないものの要件が廃止されます。
金地金等の不正の目的で購入されるおそれが高い物品については、免税販売の対象外とされる物品として個別に定める仕組みとなります。

その他の見直し

そのほか、高額商品の特定及びすり替え防止のため、税抜100万円以上の免税対象物品については、購入記録情報の送信事項にシリアルナンバー、ブランド名などその免税対象物品を特定するための情報を加えることとされています。

これらの改正は、令和8年11月1日以後に行われる免税対象物品の譲渡等について適用されます。

リファンド方式への変更の経緯

現行では、いわゆる免税店で外国人旅行者が購入する家電や食料品などの物品にかかる消費税が免除されていますが、国内での免税対象物品の横流しなどの不正の横行に対処するため、店舗等の輸出物品販売場での購入時には消費税が免除されず、出国時にパスポート等で確認をして消費税相当額を払い戻す「リファンド方式」に見直すこととなりました。

なお、実際の返金作業は承認送信事業者等に委託することが想定されています。