利付国債と個人向け国債の違い

利付国債と個人向け国債の違いについてわかりやすく解説します

利付国債と個人向け国債はいずれも、日本政府が資金を調達するために発行する国の借入証券です。
国が元本を支払うことを約束しているため、一般的な債券のなかでも信用リスクが非常に小さく、安全性が高い金融商品として位置づけられています。

同じ「国債」という名前でも、投資家の層や利用目的に合わせて特徴が分かれており、代表的なのが 利付国債個人向け国債 の2種類です。
両者には以下のような違いがあります。

利付国債個人向け国債
満期2年、5年、10年3年、5年、10年
金利固定金利固定金利(3年・5年)と変動金利(10年)
購入金額5万円以上5万円単位1万円以上1万円単位
利払い半年ごと年2回
中途解約いつでも可能。
市場で売却。
市場情勢に応じて元本は変動。
国が買取り。
一定期間経過後手数料を払う。
元本は変わらない。
発行回数毎月年4回

満期(償還期間)の違い

通常の利付国債は、2年・5年・10年といった期間で設定されています。
一方、個人向け国債では、3年・5年・10年の3タイプのみで、より分かりやすい期間設計になっています。

金利の仕組み

利付国債は基本的に固定金利で発行されます。
対して個人向け国債は、3年・5年は固定金利ですが、10年タイプは市場金利に合わせて半年ごとに利率が見直される変動金利が採用されています。

購入単位

購入できる最小金額にも差があります。
利付国債は 5万円以上・5万円単位での購入が必要なのに対し、個人向け国債は 1万円から購入でき、より少額でも投資しやすく設計されています。

利息の受け取り方

利付国債は半年ごとに利息が支払われます。
個人向け国債も年2回の利払いですが、金利タイプによって利息の変動有無が異なる点が注意ポイントです。

中途解約や資金化の方法

利付国債の場合は、市場で売却する形でいつでも換金できますが、売却価格は市場金利の動向により変動し、元本を割り込む可能性もあります。
これに対し個人向け国債は、一定期間経過後であれば国が買い取る方式を用いており、所定の手数料を支払えば元本割れしない仕組みになっています。

発行頻度

利付国債はほぼ毎月発行されるのに対し、個人向け国債は年4回の定期募集となっています。

まとめ

  • 利付国債と個人向け国債はいずれも国が発行する安全性の高い債券だが、投資対象や使われ方に違いがある。
  • 償還期間は利付国債が2・5・10年、個人向け国債は3・5・10年と設定が異なる。
  • 金利は利付国債が固定、個人向け国債は固定(3・5年)と変動(10年)があり、購入単位も利付は5万円〜、個人向けは1万円〜と差がある。
  • 中途解約は利付国債が市場売却で元本変動あり、個人向け国債は国が買取りで一定条件下なら元本割れしない。
  • 発行頻度は利付国債が毎月、個人向け国債は年4回と募集タイミングに違いがある。