登記情報連携システムが税務調査で活用されています

国税関係のDX化が進む中、税務調査においてもデジタル技術の活用が進んでいます。特に、商業登記や不動産登記などの登記情報を電子的に取得できる「登記情報連携システム」の活用が広がっています。
登記情報連携システムを利用することで、必要な登記情報をオンラインで迅速に取得・確認できるため、税務調査における事務作業の効率化や人的・金銭的コストの削減につながることが期待されています。
税務調査で登記情報が活用される場面
法人税、所得税、相続税などの税務調査では、調査対象者が関係する法人や、所有している不動産などの情報を確認する必要が生じる場合があります。
例えば、法人の役員や関係会社などを確認するために商業登記情報を利用したり、納税者が所有する土地や建物などを確認するために不動産登記情報を利用したりすることがあります。
こうした登記情報の確認は、税務調査を適切に進めるための情報収集の一つとして活用されています。
従来の登記情報取得にかかっていた手間とコスト
従来、法人や不動産の登記情報を確認する際には、登記情報が記載された登記事項証明書(商業・不動産)を取得する必要がありました。
そのため、税務職員が登記所に出向いて登記事項証明書を取得したり、郵送による手続きを行ったりする必要があり、登記情報の取得には人的な負担や金銭的なコストが発生していました。
税務調査では複数の情報を確認する必要が生じることもあるため、こうした登記情報の取得事務を効率化することは、税務行政のデジタル化を進めるうえでも重要となります。
登記情報連携システムによる税務調査の効率化
登記情報連携システムを利用すると、国の行政機関の職員がオンラインで必要な商業・不動産の登記情報を取得・確認できるようになります。
これにより、税務職員が登記所へ出向いたり、郵送による手続きを行ったりすることなく、必要な登記情報を迅速に確認できるようになります。
税務調査における情報収集をオンライン化することで、調査事務の効率化や、税務職員の人的コスト、登記情報の取得にかかる金銭的コストの削減につながることが期待されています。
法務省と国税庁の連携で利用範囲が拡大
法務省の「登記情報連携システム」では、国の行政機関の職員が登記情報を取得・確認できる仕組みが整備されています。
国税関係の手続きについても、従来から法務省と国税庁との間で登記情報連携システムを利用するための取り決めが行われていました。
しかし、当初は納税者などが提出する申請書等について、登記事項証明書の添付を省略するための利用など、一部の用途に限られていました。そのため、税務調査などで登記情報の確認が必要になった場合でも、税務職員が登記情報連携システムを利用して直ちに情報を取得することはできませんでした。
現在では、法務省と国税庁との新たな取り決めによって利用できる範囲が広がっています。税務調査等を目的として、税務署などの端末から直接、登記情報連携システムを利用して登記情報を取得できる仕組みが整備され、活用が進められています。
商業登記・不動産登記のオンライン取得が税務調査を支援
登記情報連携システムの活用が進むことで、税務調査に必要となる商業登記や不動産登記の情報を、より迅速に確認できるようになります。
これにより、税務職員が登記情報を取得するための移動や書類の手続きを減らし、調査対象者に関する情報収集を効率的に行うことが可能になります。
国税関係のDX化が進む中、登記情報連携システムは、税務調査を含む税務行政のデジタル化を支える仕組みの一つとなっています。
登記事項証明書の添付省略に向けた取り組み
登記情報のデジタル化は、税務調査だけでなく、行政手続き全体の効率化にもつながります。
行政機関などへの各種手続きでは、添付書類として登記事項証明書の提出を求められるケースが数多くあります。そのため、登記事項証明書を取得するための費用や手間が、事業者側の負担となっていました。
こうした課題に対応するため、法務省とデジタル庁は法人ベース・レジストリを活用し、行政手続きにおける事業者側の負担を軽減する取り組みも進めています。
登記情報のデジタル化で税務行政の効率化へ
登記情報連携システムの活用によって、税務調査に必要な商業登記や不動産登記の情報をオンラインで取得・確認できる環境が整備されつつあります。
これまで登記所への訪問や郵送手続きなどが必要だった登記情報の取得をデジタル化することで、税務職員の事務負担や取得コストの削減が期待されています。
今後も国税関係のDX化や行政手続きのデジタル化が進むことで、登記情報連携システムや法人ベース・レジストリの活用範囲がさらに広がり、税務行政や事業者の双方における事務負担の軽減につながることが期待されます。
法人ベース・レジスト
法人の名称や所在地等法人に関する情報のデータベースです。
現在、商業法人登記情報が記録されており、行政機関等がオンラインでアクセスすることができ、様々な手続での登記事項証明書の添付が不要となり、事業者の取得や添付の負担軽減、行政職員公用請求が不要となり、年間約2,000万件の手続が効率化されたとしています。
また、システム間の連携も進め、事業者の入力事務省力化や名称・所在地等変更時の届出不要なども計画されています。
この記事は2026年10月に書かれたものです。
内容が最新の情報と異なる可能性がありますのでご注意下さい。

